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*windows.txt* For Vim バージョン 8.1. Last change: 2018 Apr 24
VIMリファレンスマニュアル by Bram Moolenaar
マルチウィンドウ、マルチバッファを使った編集 *windows* *buffers*
ここではマルチウィンドウやマルチバッファを使用するために追加したコマンドについ
て説明する。さらに、2つ以上のウィンドウを組合せて使用するときに異なる動作をす
るコマンドについての説明もする。
基本についてはユーザーマニュアルの7章と8章で説明されている。
|usr_07.txt| |usr_08.txt|.
1. はじめに |windows-intro|
2. Vim の起動 |windows-starting|
3. ウィンドウのオープンとクローズ |opening-window|
4. ウィンドウ間のカーソル移動 |window-move-cursor|
5. ウィンドウの移動 |window-moving|
6. ウィンドウのサイズ変更 |window-resize|
7. コマンド引数とバッファリスト |buffer-list|
8. 全てのバッファ/ウィンドウに対してコマンド実行 |list-repeat|
9. カーソル位置のタグ名/ファイル名 |window-tag|
10. プレビューウィンドウ |preview-window|
11. 隠れ(hidden)バッファを使う |buffer-hidden|
12. 特殊なバッファ |special-buffers|
{Vi にはこれらのコマンドはない}
{|+windows| 機能なしでコンパイルされた場合は複数のウィンドウを使うことはできな
い}
{|+vertsplit| 機能なしでコンパイルされた場合は垂直分割ウィンドウを使うことはで
きない}
==============================================================================
1. はじめに *windows-intro* *window*
要約:
バッファとはメモリに保持しているファイルの内容である。
ウィンドウとはバッファの表示領域である。
タブページとはウィンドウを集めたものである。
ウィンドウはバッファの表示領域である。1つのバッファに対して複数のウィンドウを
開くことができるし、異なる複数のバッファに対して複数のウィンドウを開くこともで
きる。
バッファは編集時にメモリ上にロードされたファイルのことを言う。
オリジナルのファイルはバッファ内容をそのファイルに上書きするまで変更されずにい
る。
バッファは以下の3つの状態のうちのどれか1つの状態にある。
*active-buffer*
アクティブ: バッファ内容はウィンドウに表示されている。このバッファに対応する
ファイルが存在する場合、ファイルがバッファに読み込まれている。
バッファはそれ以降編集されていて、ファイルと異なっているかもしれ
ない。
*hidden-buffer*
隠れ(hidden): バッファ内容はウィンドウに表示されていない。このバッファに対応す
るファイルが存在する場合、ファイルはバッファに読み込まれている。
見ることができないが、それ以外はアクティブなバッファと同じ。
*inactive-buffer*
非アクティブ: バッファ内容はウィンドウに表示されていない。バッファには何もロー
ドされていない。ファイルが一度でもメモリにロードされていたなら、
そのバッファのオプションは記憶されている。|viminfo|ファイルにより
マークを含んでいるかもしれない。
状態表:
状態 ウィンドウ メモリ上に ":buffers" ~
表示 ロード 表示 ~
アクティブ ○ ○ 'a'
隠れ(hidden) × ○ 'h'
非アクティブ × × ' '
Note: ノーマルコマンドが利用できない、あるいは使い勝手が悪い状況のために、全て
のCTRL-Wコマンドは|:wincmd|によっても実行できる。
Vimではウィンドウを複数に分割することができる。タブページ|tab-page|というもの
もあり、タブページは複数のウィンドウを保持することができる。
*window-ID* *winid* *windowid*
個々のウィンドウにはウィンドウIDと呼ばれる一意な識別が与えられる。この識別子は
Vimのセッション中は決して変わらない。|win_getid()| と |win_id2tabwin()| 関数
は、ウィンドウ/タブ番号を識別子に変換するのに利用できる。似たようなものとして
ウィンドウ番号があるが、こちらはウィンドウを開いたり閉じたりするたびに変わる可
能性がある。 |winnr()| を参照。
個々のバッファには一意な番号が割り振られており、Vimのセッション中は決して変わ
らない。バッファ名とバッファ番号を相互に変換するのには、|bufnr()| と
|bufname()| 関数を使える。
==============================================================================
2. Vim の起動 *windows-starting*
デフォルトでは、Vim は Vi のように1つのウィンドウで起動する。
Vim のオプション引数に "-o" と "-O" を使うと、引数で指定した各ファイルのウィン
ドウがオープンする。オプション "-o" はウィンドウを水平分割し、"-O" オプション
はウィンドウを垂直分割する。"-o" と "-O" の両方が与えられた場合は、後に現れた
方が分割方向を決めるのに使われる。例えば、これは3つのウィンドウが垂直分割して
開かれる: >
vim -o file1 file2 file3
"-oN" (N は10進数)の場合は、N個のウィンドウが水平に分割して開く。ウィンドウの
数(N)より引数で指定したファイルの数が多い場合、N個のウィンドウが開き、残りの
ファイルはウィンドウに表示されない。逆にウィンドウの数より引数で指定したファイ
ルの数が少ない場合、残りのウィンドウは空のバッファを表示する。同様に "-ON" は
N個のウィンドウを垂直分割して開く。制限も同じである。
引数にたくさんのファイル名を指定した場合、ウィンドウは非常に小さくなる。もしか
したら、作業のできる環境にするために 'winheight' または 'winwidth' オプション
を設定したくなるかもしれない。
Buf/Win Enter/Leave 時のオートコマンド|autocommand|は、新しいウィンドウを開い
たりファイルを読み込んだりしても実行されない。そのオートコマンドはバッファ/
ウィンドウへ入った時にのみ実行される。
*status-line*
ステータス行はウィンドウの分割に使われる。'laststatus' オプションは一番下のウィ
ンドウにステータス行を表示するかを設定する:
'laststatus' = 0 常にステータス行を表示しない。
'laststatus' = 1 ウィンドウが2つ以上ある場合に表示する。
'laststatus' = 2 常にステータス行を表示する。
ステータス行の内容は 'statusline' オプションで変更できる。
このオプションはウィンドウについてローカルにすることもでき、そうすると各ウィン
ドウごとに異なるステータスラインを表示することができる。
通常、ステータス行は反転表示される。これは 'highlight' オプションの 's' キャラ
クタで変更できる。例えば、"sb" は太文字に設定する。ステータス行にハイライトを
使用しない場合("sn")、'^' がカレントウィンドウに使われ、'=' が他のウィンドウに
使われる。マウスがサポートされていて 'mouse' オプションでマウスが使用可能になっ
ている場合は、ステータス行をドラッグすることでウィンドウのリサイズを行える。
Note: ステータス行が反転表示されるはずが反転表示されなければ、'highlight' オプ
ションに 'si' が含まれているか確認すること。version 3.0 では、'si' がステータ
ス行の反転表示を意味していた。今は反転表示には 'sr' を使用し、'si' はイタリッ
ク表示を意味している! イタリックを表示できない端末では、ステータス行は反転表
示となる。イタリック表示のための termcap コードがある場合にのみ、この問題が見
られる。
==============================================================================
3. ウィンドウのオープンとクローズ *opening-window* *E36*
CTRL-W s *CTRL-W_s*
CTRL-W S *CTRL-W_S*
CTRL-W CTRL-S *CTRL-W_CTRL-S*
:[N]sp[lit] [++opt] [+cmd] [file] *:sp* *:split*
カレントウィンドウを2つに分割する。その結果、2つの表示領域に同
じファイルが表示されるようになる。
新しいウィンドウの高さはNになる(デフォルトの高さはカレントウィ
ンドウの高さの半分)。新しいウィンドウの場所を確保するため、カ
レントウィンドウの高さは低くなる('equalalways' オプションが
セットされていて、かつ'eadirection' の値が "hor" でない場合、
他のウィンドウの中でカレントウィンドウか新しいウィンドウより大
きいものがあれば、そのウィンドウも小さくなる)。
[file] が与えられている場合は新しいウィンドウで編集される。ど
のバッファでもロードされていない場合、読み込まれる。そうでなれ
ければ新しいウィンドウは既にロードされたバッファを使用する。
Note: CTRL-S は端末によっては使用できない。また、それ以上の入
力をブロックしてしまうかもしれない。続けるためにはCTRL-Qを使う
こと。
|++opt|と|+cmd| も参照のこと。
CTRL-W CTRL-V *CTRL-W_CTRL-V*
CTRL-W v *CTRL-W_v*
:[N]vs[plit] [++opt] [+cmd] [file] *:vs* *:vsplit*
|:split|と同様、ただし垂直分割する。次のすべてに当てはまる場合、
ウィンドウは水平に広げられる:
1. 幅が指定されていない。
2. 'equalalways' がセットされている。
3. 'eadirection' が "ver" でない。
4. 他のウィンドウの中でカレントウィンドウか新しいウィンドウよ
り幅が広いものがある。
Note: 他の局面ではCTRL-QはCTRL-Vと同じだが、ここではそうでな
い。
CTRL-W n *CTRL-W_n*
CTRL-W CTRL_N *CTRL-W_CTRL-N*
:[N]new [++opt] [+cmd] *:new*
新しいウィンドウを作成して空のファイルの編集が始まる。新しい
ウィンドウの高さはNになる(デフォルトの高さはカレントウィンドウ
の高さの半分)。新しいウィンドウの場所を確保するため、カレント
ウィンドウの高さは低くなる。 ('equalalways' オプションがセット
されていてかつ 'equalalways' オプションが "hor" でない場合、他
のウィンドウの高さも低くなる)。|++opt|と |+cmd| も参照のこと。
'fileformats' オプションが空でない場合は、与えられた最初の
フォーマットが新しいバッファにも使用される。
'fileformats' オプションが空の場合は、カレントバッファの
'fileformat' が使用される。これは引数|++opt|によって上書きされ
うる。
オートコマンドはこの順で実行される:
1. カレントウィンドウに対する WinLeave
2. 新しいウィンドウに対する WinEnter
3. カレントバッファに対する BufLeave
4. 新しいバッファに対する BufEnter
この動作は、はじめに ":split"、次に ":enew" コマンドを実行した
場合と同じ動作である。
:[N]vne[w] [++opt] [+cmd] [file] *:vne* *:vnew*
|:new|と同様だが、垂直分割する。'equalalways' がセットされ、
'eadirection' が "ver" でないならば、幅が指定されない限りウィ
ンドウは水平に広げられる。
:[N]new [++opt] [+cmd] {file}
:[N]sp[lit] [++opt] [+cmd] {file} *:split_f*
新しいウィンドウを作成し、そのウィンドウでファイル {file} の編
集が始まる。この動作は、はじめに ":split"、次に ":e" コマンド
を実行した場合と同じ動作である。
[+cmd] が指定された場合は、ファイルをロードしコマンドを実行す
る |+cmd|。
|++opt| も参照のこと。
新しいウィンドウの高さはNになる(デフォルトの高さはカレントウィ
ンドウの高さの半分)。新しいウィンドウの場所を確保するため、カ
レントウィンドウの高さは低くなる。('equalalways' オプションが
セットされていれば他のウィンドウも低くなる)
:[N]sv[iew] [++opt] [+cmd] {file} *:sv* *:sview* *splitview*
":split" と同じ。ただし、バッファに対して 'readonly' オプショ
ンがセットされる。
:[N]sf[ind] [++opt] [+cmd] {file} *:sf* *:sfind* *splitfind*
":split" と同じ。ただし、|:find| と同様に 'path' から {file}
を検索する。{file}が見つからなければ、ウィンドウは分割されない。
CTRL-W CTRL-^ *CTRL-W_CTRL-^* *CTRL-W_^*
CTRL-W ^ ":split #" と同じ。つまり、ウィンドウを2つに分割してもう一方の
ファイルを編集する。カウントが指定された場合は ":split #N" と
同じ。つまり、ウィンドウを分割してバッファNを編集する。
*CTRL-W_:*
CTRL-W : |:| と同じ。: コマンドラインを編集する。
すべてのVimコマンドが CTRL-W または 'termkey' から始められなけ
ればならない端末ウィンドウの中で役に立つ。
オプション 'splitbelow' と 'splitright' が新しいウィンドウが現れる場所に影響を
及ぼすことに注意。
*:vert* *:vertical*
:vert[ical] {cmd}
{cmd}を実行する。{cmd}がウィンドウを分割させるコマンドを含んで
いれば、垂直分割させる。
cmdとして|:execute|または|:normal|を指定しても効果がない。
:lefta[bove] {cmd} *:lefta* *:leftabove*
:abo[veleft] {cmd} *:abo* *:aboveleft*
{cmd}を実行する。{cmd}がウィンドウを分割させるコマンドを含んで
いる場合は、垂直分割ならば左側に、水平分割ならば上側にカレント
ウィンドウを出現させる。'splitbelow' と 'splitright' を無視す
る。
cmdとして|:execute|または|:normal|を指定しても効果がない。
:rightb[elow] {cmd} *:rightb* *:rightbelow*
:bel[owright] {cmd} *:bel* *:belowright*
{cmd}を実行する。{cmd}がウィンドウを分割させるコマンドを含んで
いる場合は、垂直分割ならば右側に、水平分割ならば下側にカレント
ウィンドウを出現させる。'splitbelow' と 'splitright' を無視す
る。
cmdとして|:execute|または|:normal|を指定しても効果がない。
*:topleft* *E442*
:to[pleft] {cmd}
{cmd}を実行する。{cmd}がウィンドウを分割させるコマンドを含んで
いる場合は、最上段に現れ、Vimのウィンドウの中で幅を最大にする。
垂直分割のときはウィンドウは最も左側に現れ、Vimウィンドウの中
で高さを最大にする。
cmdとして|:execute|または|:normal|を指定しても効果がない。
*:bo* *:botright*
:bo[tright] {cmd}
{cmd}を実行する。{cmd}がウィンドウを分割させるコマンドを含んで
いる場合は、最下段に現れ、Vimのウィンドウの中で幅を最大にす
る。垂直分割のときはウィンドウは最も右側に現れ、Vimウィンドウ
の中で高さを最大にする。
cmdとして|:execute|または|:normal|を指定しても効果がない。
これらのコマンドモディファイヤを組み合わせて、最大高さの垂直分割したウィンドウ
を作ることができる。例: >
:vertical topleft split tags
ウィンドウを垂直分割し、"tags" ファイルのウィンドウを最大の高さで最も左に開く。
ウィンドウを閉じる
------------------
:q[uit]
:{count}q[uit]
CTRL-W q *CTRL-W_q*
CTRL-W CTRL-Q *CTRL-W_CTRL-Q*
{count} なしの場合、カレントウィンドウを終了する。もし {count}
が与えられた場合、{count} ウィンドウを終了する。
最後のウィンドウ(ヘルプウィンドウを除く)を終了すると Vim が終
了する。
'hidden' オプションがセットされていて、かつカレントバッファを
表示しているウィンドウが 1つしかない場合は、そのバッファは隠れ
状態(hidden)となる。'hidden' オプションがセットされていなく
て、カレントバッファを表示しているウィンドウが1つしかなくて、
かつ、そのバッファが編集中の場合は、このコマンドは失敗する。
(Note: CTRL-Q は全ての端末で動作するわけではない。)
もし [count] が最後のウィンドウ番号よりも大きいとき、最後の
ウィンドウが閉じられる: >
:1quit " 最初のウィンドウを終了する
:$quit " 最後のウィンドウを終了する
:9quit " 最後のウィンドウを終了する
" もし 9 個より少ないウィンドウが開かれていれば
:-quit " 前のウィンドウを終了する
:+quit " 次のウィンドウを終了する
:+2quit " 2 個先のウィンドウを終了する
<
:q[uit]!
:{count}q[uit]!
{count} なしの場合、カレントウィンドウを終了する。もし {count}
が与えられた場合、{count} ウィンドウを終了する。
このウィンドウがバッファを表示している最後のウィンドウの場合、
このバッファに対する変更は全て失われる。最後のウィンドウ(ヘル
プウィンドウを除く)を終了するとVim が終了する。たとえ 'hidden'
オプションがセットされていたとしても、バッファ内容は失われる。
:clo[se][!]
:{count}clo[se][!]
CTRL-W c *CTRL-W_c* *:clo* *:close*
{count} なしの場合、カレントウィンドウを閉じる。もし {count}
が与えられた場合、{count} ウィンドウを閉じる。
'hidden' オプションがセットされている時、または、バッファが変
更されていて[!]を使用した時は、(バッファが他のウィンドウで編集
中でなければ)バッファは隠れ状態(hidden)になる。
カレントタブページにウィンドウが1つしかなく、他にタブページが
あるとき、このコマンドを実行するとカレントタブページが閉じる。
|tab-page|
このコマンドは以下の場合に失敗する: *E444*
- スクリーン上に1つのウィンドウしかない時
- 'hidden' がセットされていなくて、[!]を使用せず、バッファが変
更されていて、かつ、このバッファが他のウィンドウで表示されて
いない場合
バッファへの変更は保存されず、失われることもないため、このコマ
ンドは「安全な」コマンドである。
CTRL-W CTRL-C *CTRL-W_CTRL-C*
CTRL-W CTRL-C はカレントウィンドウを閉じると期待するかもしれな
いが、CTRL-C はコマンドをキャンセルするために期待通りには動作
しない。
*:hide*
:hid[e]
:{count}hid[e]
{count} なし: カレントウィンドウがスクリーン上の最後のウィンド
ウでなければ、カレントウィンドウを終了する。
もし {count} が与えられた場合、{count} ウィンドウを終了する。
(他のウィンドウがバッファを編集していなく、かつ 'bufhidden' の
値が "unload", "delete", "wipe" のいずれでもないならば)その
バッファは隠れ状態(hidden)となる。そのウィンドウがカレントタブ
ページで最後のウィンドウであるならばタブページも閉じる。
|tab-page|
'hidden' の値はこのコマンドには無関係である。バッファへの変更
は保存されず、失われることもないため、このコマンドは「安全な」
コマンドである。
:hid[e] {cmd} {cmd} を実行し、同時に 'hidden' をセットする。{cmd} が実行され
た後に 'hidden' の以前の値が復旧される。
例: >
:hide edit Makefile
これはカレントバッファに変更があっても、それを隠しバッファに
し、"Makefile" を編集する。
:on[ly][!]
:{count}on[ly][!]
CTRL-W o *CTRL-W_o* *E445*
CTRL-W CTRL-O *CTRL-W_CTRL-O* *:on* *:only*
カレントウィンドウをスクリーン上にある唯一のウィンドウにする。
他の全てのウィンドウは閉じられる。 {count} については |:quit|
コマンドを参照。
'hidden' オプションがセットされていれば、閉じられた全てのバッ
ファは隠れ状態(hidden)となる。
'hidden' オプションがセットされておらず、'autowrite' オプショ
ンがセットされている場合は、編集中のバッファは保存される。さも
なければ、編集中のバッファを表示しているウィンドウは閉じられる
ことはない。ただし[!]が与えられていれば、それらのバッファは隠
れ状態(hidden)となる。しかし、編集中のバッファは決して削除され
ないので、変更は失われない。
==============================================================================
4. ウィンドウ間のカーソル移動 *window-move-cursor*
CTRL-W <Down> *CTRL-W_<Down>*
CTRL-W CTRL-J *CTRL-W_CTRL-J* *CTRL-W_j*
CTRL-W j カーソルをカレントウィンドウのN個下のウィンドウに移動。
候補が複数ある場合は、現在のカーソル位置によって選択される。
CTRL-W <Up> *CTRL-W_<Up>*
CTRL-W CTRL-K *CTRL-W_CTRL-K* *CTRL-W_k*
CTRL-W k カーソルをカレントウィンドウのN個上のウィンドウに移動。
候補が複数ある場合は、現在のカーソル位置によって選択される。
CTRL-W <Left> *CTRL-W_<Left>*
CTRL-W CTRL-H *CTRL-W_CTRL-H*
CTRL-W <BS> *CTRL-W_<BS>* *CTRL-W_h*
CTRL-W h カーソルをカレントウィンドウのN個左のウィンドウに移動。
候補が複数ある場合は、現在のカーソル位置によって選択される。
CTRL-W <Right> *CTRL-W_<Right>*
CTRL-W CTRL-L *CTRL-W_CTRL-L* *CTRL-W_l*
CTRL-W l カーソルをカレントウィンドウのN個右のウィンドウに移動。
候補が複数ある場合は、現在のカーソル位置によって選択される。
CTRL-W w *CTRL-W_w* *CTRL-W_CTRL-W*
CTRL-W CTRL-W カウント指定なし: カーソルをカレントウィンドウの下/右のウィン
ドウに移動。下/右にウィンドウがなければ、一番上/左のウィンド
ウに移動。カウント指定有り: N番目のウィンドウに移動 (ウィンド
ウは左上から右下へと番号が振られる)。ウィンドウの番号を知るに
は |bufwinnr()| と |winnr()| を参照。N がウィンドウの個数より
大きい場合、最後のウィンドウへ移動する。
*CTRL-W_W*
CTRL-W W カウント指定なし: カーソルをカレントウィンドウの上/左のウィン
ドウに移動。上/左にウィンドウがなければ、一番下/右のウィンド
ウに移動。カウント指定有り: N番目のウィンドウに移動
(CTRL-W w と同様)。
CTRL-W t *CTRL-W_t* *CTRL-W_CTRL-T*
CTRL-W CTRL-T カーソルを一番左上のウィンドウに移動。
CTRL-W b *CTRL-W_b* *CTRL-W_CTRL-B*
CTRL-W CTRL-B カーソルを一番右下のウィンドウに移動。
CTRL-W p *CTRL-W_p* *CTRL-W_CTRL-P*
CTRL-W CTRL-P カーソルを直前の(最後にアクセスしていた)ウィンドウに移動。
*CTRL-W_P* *E441*
CTRL-W P プレビューウィンドウに移動。プレビューウィンドウがない場合には
エラーになる。
{|+quickfix| 機能なしでコンパイルされた場合には使用できない}
ビジュアルモードがアクティブで移動先のウィンドウがカレントバッファと同じバッ
ファを表示していない場合、ビジュアルモードは終了する。ウィンドウが同じバッファ
を表示している場合、カーソル位置は選択領域が保たれるようにセットされる。
*:winc* *:wincmd*
以上のコマンドは ":wincmd" によっても実行することができる:
:[count]winc[md] {arg}
CTRL-W [count] {arg} を実行するのと同じ。例: >
:wincmd j
< 下のウィンドウに移動する。
このコマンドは (|CursorHold| 自動コマンドイベントのため) ノー
マルモードが利用できないときやノーマルコマンドが不便なときに有
効である。
count はウィンドウ番号であってもよい。例: >
:exe nr . "wincmd w"
< これは "nr" 番のウィンドウへ移動する。
==============================================================================
5. ウィンドウの移動 *window-moving*
CTRL-W r *CTRL-W_r* *CTRL-W_CTRL-R* *E443*
CTRL-W CTRL-R ウィンドウ位置を下/右へ回転させる。1番のウィンドウは2番目に、
2番目のウィンドウは3番目になる。最後のウィンドウは1番になる。
カーソルは同じウィンドウにとどまる。
この移動はカレントウィンドウと同じ段/列の中だけで行われる。
*CTRL-W_R*
CTRL-W R ウィンドウ位置を上/左へ回転させる。1番のウィンドウは2番目に、
2番目のウィンドウは3番目になる。最後のウィンドウは1番になる。
カーソルは同じウィンドウにとどまる。
この移動はカレントウィンドウと同じ段/列の中だけで行われる。
CTRL-W x *CTRL-W_x* *CTRL-W_CTRL-X*
CTRL-W CTRL-X カウント指定なし: カレントウィンドウと次(1つ下)のウィンドウを
入れ替える。次のウィンドウがない(カレントウィンドウが一番下の)
場合は、前(1つ上)のウィンドウと入れ替える。
カウント指定有り: カレントウィンドウと上からN番目のウィンドウ
(一番上は1番目)を入れ替える。カーソルは入れ替えた相手のウィン
ドウに移動する。
水平分割と垂直分割が混ざっている場合には、カレントウィンドウと
同じ段/列の中だけで入れ替えが行われる。
以下のコマンドはウィンドウのレイアウトを変更するために使える。例えば、2つの垂
直分割されたウィンドウがある場合、CTRL-W K はそれらを水平分割に変更する。
CTRL-W H はその逆を行う。
*CTRL-W_K*
CTRL-W K カレントウィンドウを最上段に移動し、幅を最大にする。これは、カ
レントウィンドウを閉じ、それから "topleft split" で別のウィン
ドウを作るのと同様で、違いは新しいウィンドウにカレントウィンド
ウの内容が表示されるということだけである。
*CTRL-W_J*
CTRL-W J カレントウィンドウを最下段に移動し、幅を最大にする。これは、カ
レントウィンドウを閉じ、それから "botright split" で別のウィン
ドウを作るのと同様で、違いは新しいウィンドウにカレントウィンド
ウの内容が表示されるということだけである。
*CTRL-W_H*
CTRL-W H カレントウィンドウを最左列に移動し、高さを最大にする。これは、
カレントウィンドウを閉じ、それから ":vert topleft split" で別
のウィンドウを作るのと同様で、違いは新しいウィンドウにカレント
ウィンドウの中身が使われるということだけである。
{|+vertsplit| 機能なしでコンパイルされた場合は使用できない}
*CTRL-W_L*
CTRL-W L カレントウィンドウを最右列に移動し、高さを最大にする。これは、
カレントウィンドウを閉じ、それから ":vert botright split" で別
のウィンドウを作るのと同様で、違いは新しいウィンドウにカレント
ウィンドウの中身が使われるということだけである。
{|+vertsplit| 機能なしでコンパイルされた場合は使用できない}
*CTRL-W_T*
CTRL-W T カレントウィンドウを新しいタブページへ移動する。カレントタブ
ページにウィンドウが1つしかないときは、このコマンドは失敗す
る。カウントが指定されると、その番号のタブページの前に新しいタ
ブページが開く。指定されないときはカレントタブページの後ろに開
く。
==============================================================================
6. ウィンドウのサイズ変更 *window-resize*
*CTRL-W_=*
CTRL-W = 全てのウィンドウの高さ・幅を(ほとんど)同じにする。ただしカレン
トウィンドウに対しては 'winheight' と 'winwidth' が適用される。
'winfixheight' がセットされたウィンドウの高さはそのままにし、
'winfixwidth' がセットされたウィンドウの幅はそのままにする。
:res[ize] -N *:res* *:resize* *CTRL-W_-*
CTRL-W - カレントウィンドウの高さをN (デフォルトは1) 行分低くする。
|:vertical| の後に置かれたときは、幅を N 桁分減らす。
:res[ize] +N *CTRL-W_+*
CTRL-W + カレントウィンドウの高さをN (デフォルトは1) 行分高くする。
|:vertical| の後に置かれたときは、幅を N 桁分増やす。
:res[ize] [N]
CTRL-W CTRL-_ *CTRL-W_CTRL-_* *CTRL-W__*
CTRL-W _ カレントウィンドウの高さをN行にする(デフォルト: 可能な限り高く
する)
z{nr}<CR> カレントウィンドウの高さを {nr} にする。
*CTRL-W_<*
CTRL-W < カレントウィンドウの幅を N (デフォルトは1) 桁分減らす。
*CTRL-W_>*
CTRL-W > カレントウィンドウの幅を N (デフォルトは1) 桁分増やす。
:vertical res[ize] [N] *:vertical-resize* *CTRL-W_bar*
CTRL-W | カレントウィンドウの幅を N桁にする (デフォルト:可能な限り広く
する)
マウスでステータス行を上下にドラッグすることによってもウィンドウのサイズを変更
できる。垂直セパレータ行を左右にドラッグしても同様。これができるのは、使用して
いる Vim がマウスをサポートしていて 'mouse' オプションでマウスが使えるように設
定されているときである。
'winheight' ('wh') オプションはカレントウィンドウの最小の高さを設定する。この
オプションは他のウィンドウがカレントウィンドウになるたびに使用される。このオプ
ションが '0' に設定されている場合、オプションが無効になる。'winheight' オプショ
ンをかなり大きい値、例えば '9999' に設定すると、カレントウィンドウの高さは常に
可能な限り高くなる。このオプションを適当な値、例えば '10' に設定した場合、カレ
ントウィンドウでの編集がやりやすくなる。
同様のオプション 'winwidth' ('wiw') がカレントウィンドウの最小幅を設定するのに
使える。
'equalalways' ('ea') オプションをセットした場合、ウィンドウを分割したり閉じた
りした後は全てのウィンドウは自動的に同じ高さとなる。このオプションをセットして
いない場合、ウィンドウを分割するとカレントウィンドウが低くなり他のウィンドウの
高さは変化しない。ウィンドウを閉じると、閉じたウィンドウの上のウィンドウの下の
ウィンドウが高くなる。
オプション 'eadirection' は 'equalalways' がどの方向に適用されるかを制限する。
デフォルトの "both" は両方の方向にリサイズする。その値が "ver" のときはウィン
ドウの高さだけが等しくされる。垂直分割したウィンドウを手動でリサイズし、この幅
を保ちたいときにこれを使うとよい。同じように、値が "hor" のときはウィンドウの
幅だけが等しくされる。
'cmdheight' ('ch') オプションはコマンド行の高さを設定する。長いメッセージの表
示の際の |hit-enter| プロンプトをわずらわしいと感じたら、このオプションを2か3
に設定すること。
ウィンドウが1つしかない場合、ウィンドウの高さを変更するとコマンド行の高さも変
化する。2つ以上ウィンドウがある場合、カレントウィンドウの高さを変更するとその
下のウィンドウの高さも変化する(たまに上のウィンドウの高さが変化することもあ
る)。
ウィンドウの最小の高さと幅は 'winminheight' と 'winminwidth' によって設定され
る。これらは絶対的な値で、ウィンドウはこれらより小さくなることはない。
==============================================================================
7. コマンド引数とバッファリスト *buffer-list*
args list buffer list meaning ~
1. :[N]argument [N] 11. :[N]buffer [N] N番目の引数/バッファに移動
2. :[N]next [file ..] 12. :[N]bnext [N] N個先の引数/バッファに移動
3. :[N]Next [N] 13. :[N]bNext [N] N個前の引数/バッファに移動
4. :[N]previous [N] 14. :[N]bprevious [N] N個前の引数/バッファに移動
5. :rewind / :first 15. :brewind / :bfirst 最初の引数/バッファに移動
6. :last 16. :blast 最後の引数/バッファに移動
7. :all 17. :ball 全ての引数/バッファを編集
18. :unhide 全ての読み込まれたバッファを編集
19. :[N]bmod [N] N個先の編集中のバッファに移動
split & args list split & buffer list meaning ~
21. :[N]sargument [N] 31. :[N]sbuffer [N] split + N番目の引数/バッファに
移動
22. :[N]snext [file ..] 32. :[N]sbnext [N] split + N個先の引数/バッファに
移動
23. :[N]sNext [N] 33. :[N]sbNext [N] split + N個前の引数/バッファに
移動
24. :[N]sprevious [N] 34. :[N]sbprevious [N] split + N個前の引数/バッファに
移動
25. :srewind / :sfirst 35. :sbrewind / :sbfirst split + 最初の引数/バッファに
移動
26. :slast 36. :sblast split + 最後の引数/バッファに
移動
27. :sall 37: :sball 全ての引数/バッファを編集
38. :sunhide 全ての読み込まれたバッファを編集
39. :[N]sbmod [N] split + N個先の編集中のバッ
ファに移動
40. :args コマンド引数の表示
41. :buffers バッファの表示
[N] の意味はコマンドによって異なる。
2/12/22/32、3/13/23/33、4/14/24/34のコマンドにおいては、[N]は前方/後方に移動
するバッファ数
1、21のコマンドにおいては、[N]は引数番号、デフォルトはカレント引数
11、31のコマンドにおいては、[N]はバッファ番号、デフォルトはカレントバッファ
19、39のコマンドにおいては、[N]はカウント
Note: ":next" は例外である。なぜならこのコマンドは Vi との互換性のためにファイ
ル名リストを受け付けなければならないからである。
引数リストと複数のウィンドウ
----------------------------
引数リストのカレント位置は各ウィンドウ毎に異なっている可能性がある。":e file"
コマンドを実行した際には引数リストないのカレント位置は変化しないが、カレント位
置のファイルを編集していないことを忘れないでほしい。この状態を示すために、ファ
イルメッセージに(もしあるならタイトルにも)「(file (N) of M)」と表示する。ここ
で、"(N)" はファイルリスト中のカレント位置を、"M" はファイルリスト中のファイル
の数を表している。
引数リストの全てはバッファリストに追加される。だから、":bnext" のようなバッファ
リストコマンドで引数リストを表示することができる。
:[N]al[l][!] [N] *:al* *:all* *:sal* *:sall*
:[N]sal[l][!] [N]
各引数に対して1つのウィンドウを開き、スクリーンを再構成する。
他の全てのウィンドウは閉じられる。カウントが指定された時は、開
くウィンドウの最大数となる。
コマンド修飾子|:tab|をつけて実行すると、各引数に対して1つずつ
タブページを開く。'tabpagemax' 個より多くの引数が与えられたと
きは、多すぎる引数は最後のタブページの中でウィンドウに分割され
て開かれる。
'hidden' オプションがセットされている場合は、閉じられるウィン
ドウで表示されている全てのバッファは隠れ状態(hidden)となる。
'hidden' オプションがセットされておらず 'autowrite' オプション
がセットされている場合は、編集中のバッファは保存される。さもな
ければ、編集中のバッファを表示しているウィンドウは閉じられな
い。ただし[!]が与えられていれば、それらのバッファは隠れ状態
(hidden)となる。しかし、編集中のバッファは決して削除されないの
で、変更は失われない。
[N] は開かれるウィンドウの数の最大値。'winheight' (|:vertical|
が前に与えられている場合は 'winwidth') もまた開かれるウィンド
ウの数を制限する。
この時点では Buf/Win Enter/Leave オートコマンドは新しいウィン
ドウに対して実行されない。実際にそのウィンドウに移ったときに実
行される。
:[N]sa[rgument][!] [++opt] [+cmd] [N] *:sa* *:sargument*
":split | argument [N]" の短縮形: ウィンドウを分割し、N番目の
引数へ移動する。しかし、N番目の引数がなければ、ウィンドウは分
割しない。|++opt| と |+cmd| も参照。
:[N]sn[ext][!] [file ..] *:sn* *:snext*
":split | [N]next" の短縮形: ウィンドウを分割し、N個先の引数へ
移動する。しかし、N個先の引数がなければ、ウィンドウは分割しな
い。|++opt| と |+cmd| も参照。
:[N]spr[evious][!] [++opt] [+cmd] [N] *:spr* *:sprevious*
:[N]sN[ext][!] [++opt] [+cmd] [N] *:sN* *:sNext*
":split | [N]Next" の短縮形: ウィンドウを分割し、N個前の引数へ
移動する。しかし、N個前の引数がなければ、ウィンドウは分割しな
い。|++opt| と |+cmd| も参照。
*:sre* *:srewind*
:sre[wind][!] [++opt] [+cmd]
":split | rewind" の短縮形: ウィンドウを分割し、最初の引数へ移
動する。しかし、引数がなければ、ウィンドウは分割しない。
|++opt| と |+cmd| も参照。
*:sfir* *:sfirst*
:sfir[st] [++opt] [+cmd]
":srewind" と同じ。
*:sla* *:slast*
:sla[st][!] [++opt] [+cmd]
":split | last" の短縮形: ウィンドウを分割し、最後の引数へ移動
する。しかし、引数がなければ、ウィンドウは分割しない。
|++opt| と |+cmd| も参照。
*:dr* *:drop*
:dr[op] [++opt] [+cmd] {file} ..
最初の {file} を編集する。
- そのファイルがすでにあるウィンドウで開かれていたら、そのウィ
ンドウに移動する。
- そのファイルがウィンドウで開かれていなければ、カレントウィン
ドウで開く。カレントバッファが破棄されえない(|abandon|)ならば
まずウィンドウが分割される。
- 引数リストにないウィンドウや、ウィンドウ幅が最大でないウィン
ドウは、可能ならば閉じられる。
|:next| コマンドと同様に、|argument-list| がセットされる。
このコマンドの目的は、Vimに別のファイルを開いてほしいプログラ
ム (例:デバッガ) から使われることである。
コマンド修飾子|:tab|をつけて実行すると、各引数が1つずつタブ
ページで開かれる。最後のウィンドウが空ならそのウィンドウが使わ
れる。
|++opt| と |+cmd| も参照。
==============================================================================
8. 全てのバッファ/ウィンドウに対してコマンド実行 *list-repeat*
*:windo*
:[range]windo {cmd} 各ウィンドウに対して {cmd} を実行する。[range]が指定さ
れた場合には、指定された範囲の番号のウィンドウが操作対
象となる。これは次のようにするのと同じ動作をする: >
CTRL-W t
:{cmd}
CTRL-W w
:{cmd}
etc.
< カレントタブページ内でのみ実行される。
1つのウィンドウに対してエラーが検出されると、それ以降
のウィンドウに対しては実行されない。
最後のウィンドウ (またはエラーが起こったウィンドウ) が
カレントウィンドウになる。
{cmd} は '|' を含んで複数のコマンドを連結していてもよ
い。
{cmd} はウィンドウの開閉、並べ替えをしてはならない。
{Vi にはない}
|:tabdo|、|:argdo|、|:bufdo|、|:cdo|、|:ldo|、|:cfdo|、
|:lfdo|も参照。
*:bufdo*
:[range]bufdo[!] {cmd} {cmd} をバッファリスト内の各バッファに対して実行する。
[range]が指定された場合は、指定された範囲の番号の
バッファが操作対象となる。これは次のようにするのと同じ
動作をする: >
:bfirst
:{cmd}
:bnext
:{cmd}
etc.
< カレントファイルが破棄されえなく(|abandon|)かつ [!]が
与えられない場合、このコマンドは失敗する。
1つのバッファに対してエラーが検出されると、それ以降
のバッファに対しては実行されない。
リストされていないバッファはスキップされる。
最後のバッファ (またはエラーが起こったバッファ) がカレ
ントウィンドウになる。
{cmd} は '|' を含んで複数のコマンドを連結していてもよ
い。
{cmd} はバッファリストにバッファを削除、追加してはなら
ない。
Note:このコマンドを実行している間、Syntax 自動コマンド
イベントが 'eventignore' に追加され、無効化される。
これは各バッファの編集を大幅にスピードアップさせる。
{Vi にはない}
|:tabdo|、|:argdo|、|:windo|、|:cdo|、|:ldo|、|:cfdo|、
|:lfdo| も参照。
例: >
:windo set nolist nofoldcolumn | normal zn
これは 'list' オプションをリセットし全てのウィンドウの折り畳みを無効化する。
>
:bufdo set fileencoding= | update
これは各バッファの 'fileencoding' をリセットし、バッファに変更があったらそれを
保存する。結果として、すべてのバッファが同じ 'encoding' のエンコーディングを使
用する (変換がうまくいったとすれば)。
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9. カーソル位置のタグ名/ファイル名 *window-tag*
*:sta* *:stag*
:sta[g][!] [tagname]
":tag[!] [tagname]" を実行し見つかったタグの表示のためにウィン
ドウを分割する。 |:tag| を参照。
CTRL-W ] *CTRL-W_]* *CTRL-W_CTRL-]*
CTRL-W CTRL-] カレントウィンドウを2つに分割する。カーソル位置の識別子をタグ
として使用し、新しくできた上側のウィンドウでタグに移動する。
ビジュアルモードではビジュアル選択されたテキストがタグとして使
われる。
新しいウィンドウの高さは N となる。
*CTRL-W_g]*
CTRL-W g ] カレントウィンドウを2つに分割する。カーソル位置の識別子をタグ
として使用し、新しくできた上側のウィンドウで ":tselect" を実行
する。
ビジュアルモードではビジュアル選択されたテキストがタグとして使
われる。
新しいウィンドウの高さは N となる。
*CTRL-W_g_CTRL-]*
CTRL-W g CTRL-] カレントウィンドウを2つに分割する。カーソル位置の識別子をタグ
として使用し、新しくできた上側のウィンドウで ":tjump" を実行す
る。
ビジュアルモードではビジュアル選択されたテキストがタグとして使
われる。
新しいウィンドウの高さはNとなる。
CTRL-W f *CTRL-W_f* *CTRL-W_CTRL-F*
CTRL-W CTRL-F カレントウィンドウを2つに分割する。カーソル位置のファイル名を
編集する。":split ]f" と同様だが、ファイルが存在しなければウィ
ンドウを分割しない。
ファイルを探すディレクトリのリストとして変数 'path' が使われ
る。また、カレントファイルのパスも探される。
その名前が "type://machine/path" のようにハイパーテキストリン
クならば "/path" のみが使われる。
count が与えられた場合、count 番目にマッチしたファイルが編集さ
れる。
{|+file_in_path| 機能なしでコンパイルされた場合は使用できない}
CTRL-W F *CTRL-W_F*
カレントウィンドウを2つに分割する。カーソル下のファイル名を開
き、そのファイル名の後に書かれている行番号へジャンプする。ど
のように行番号を取得するかについては|gF|を参照。
{|+file_in_path| 機能なしでコンパイルされた場合は使用できない}
CTRL-W gf *CTRL-W_gf*
新しいタブページを開き、カーソル下のファイル名を開く。
"tab split" と "gf" の組み合わせに似ているが、そのファイルが存
在しない場合に新しいタブページを作成しないところが異なる。
{|+file_in_path| 機能なしでコンパイルされた場合は使用できない}
CTRL-W gF *CTRL-W_gF*
新しいタブページを開き、カーソル下のファイル名を開いて、ファイ
ル名の後に書かれている行番号へジャンプする。
"tab split" と "gF" の組み合わせに似ているが、そのファイルが存
在しない場合に新しいタブページを作成しないところが異なる。
{|+file_in_path| 機能なしでコンパイルされた場合は使用できない}
|CTRL-W_CTRL-I| も参照:カーソル位置のキーワードを含むインクルードファイルを新
しいウィンドウで開く。
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10. プレビューウィンドウ *preview-window*
プレビューウィンドウは別のファイルをプレビューする特別なウィンドウである。通常
はインクルードファイルや関数の定義を示すのに使われる小さなウィンドウである。
{|+quickfix| 機能なしでコンパイルされた場合は使用できない}
プレビューウィンドウはタブページにつき1つだけ開くことができる。プレビューウィ
ンドウは以下のコマンドのどれかが実行されたとき作成される。オプション
'previewheight' によってプレビューウィンドウが開くときの高さを設定できる。プレ
ビューウィンドウを識別するために、プレビューウィンドウにはオプション
'previewwindow' がセットされる。他のウィンドウを開閉したときにも同じ高さを保つ
ためにオプション 'winfixheight' がセットされる。
*:pta* *:ptag*
:pta[g][!] [tagname]
":tag[!] [tagname]" を実行し、現在のバッファまたはカーソル位置
を変えずに「プレビュー」ウィンドウ内で検索したタグを表示する。
「プレビュー」ウィンドウがすでに存在していた場合は、(ヘルプ
ウィンドウのように)そのウィンドウに表示する。新しいウィンドウ
が開いたときは、'previewheight' の設定がそのウィンドウの高さに
なる。|:tag| も参照のこと。
例は下を参照。|CursorHold-example|
|:tag|とは小さな違いがある:[tagname] がすでに表示されているタ
グと同じ場合、マッチしたタグリスト内の位置はリセットされない。
このおかげで |:ptnext| の後でも CursorHold の例がうまくいくよ
うになっている。
CTRL-W z *CTRL-W_z*
CTRL-W CTRL-Z *CTRL-W_CTRL-Z* *:pc* *:pclose*
:pc[lose][!] 現在開いている「プレビュー」ウィンドウを閉じる。'hidden' オプ
ションがセットされている時、または、バッファが編集中で[!]が使
われた時、(そのバッファを編集している他のウィンドウがなければ)
そのバッファは隠れ状態(hidden)となる。いずれかの「プレビュー」
バッファを閉じることができない場合、このコマンドは失敗する。
|:close| も参照のこと。
*:pp* *:ppop*
:[count]pp[op][!]
プレビューウィンドウで ":[count]pop[!]" を実行する。 |:pop| と
|:ptag| を参照。 {Vi にはない}
CTRL-W } *CTRL-W_}*
カーソル位置の識別子をタグとして使用し、:ptag を実行する。 (必
要なら)高さNの新しいプレビューウィンドウを作成する。 Nが与えら
れなければ、'previewheight' が使われる。
CTRL-W g } *CTRL-W_g}*
カーソル位置の識別子をタグとして使用し、:ptjump を実行する。
(必要なら)高さNの新しいプレビューウィンドウを作成する。 Nが与
えられなければ、'previewheight' が使われる。
*:ped* *:pedit*
:ped[it][!] [++opt] [+cmd] {file}
{file} をプレビューウィンドウで編集する。プレビューウィンドウ
は |:ptag| と同じように開かれる。カレントウィンドウとカーソル
位置は変わらない。便利な例: >
:pedit +/fputc /usr/include/stdio.h
<
*:ps* *:psearch*
:[range]ps[earch][!] [count] [/]pattern[/]
|:ijump| と同様だが、見つかったマッチをプレビューウィンドウで
開く。プレビューウィンドウは |:ptag| と同じように開かれる。カ
レントウィンドウとカーソル位置は変わらない。便利な例: >
:psearch popen
< |:ptag| コマンドと同じように、これを使ってカーソル位置の単語に
関する情報を自動的に表示させることができる。これは |:ptag| コ
マンドを使うほど賢くないが、tags ファイルが必要なく、システム
インクルードファイル内のマッチを見つけることもできる。例: >
:au! CursorHold *.[ch] nested exe "silent! psearch " . expand("<cword>")
< 注意:遅いかもしれない。
例 *CursorHold-example*
:au! CursorHold *.[ch] nested exe "silent! ptag " . expand("<cword>")
この例では、'updatetime' に設定された時間の間カーソルが動かなければ、カーソル
下のキーワードで ":ptag" が実行される。"nested" は他のオートコマンドを実行する
ので、シンタックスハイライトはプレビューウィンドウ内で動作する。"silent!" は
タグが見つからなかったときのエラーメッセージを抑止する。|CursorHold|も参照。
この自動コマンドを再び無効化するには: >
:au! CursorHold
見つかったタグをハイライトさせる、カーソル位置に単語がないときに ":ptag" を実
行しない、などの改良をしたものが以下の通り: >
:au! CursorHold *.[ch] nested call PreviewWord()
:func PreviewWord()
: if &previewwindow " プレビューウィンドウ内では実行しない
: return
: endif
: let w = expand("<cword>") " カーソル下の単語を得る
: if w =~ '\a' " その単語が文字を含んでいるなら
:
: " 別のタグを表示させる前にすでに存在するハイライトを消去する
: silent! wincmd P " プレビューウィンドウにジャンプ
: if &previewwindow " すでにそこにいるなら
: match none " 存在するハイライトを消去する
: wincmd p " もとのウィンドウに戻る
: endif
:
: " カーソル下の単語にマッチするタグを表示してみる
: try
: exe "ptag " . w
: catch
: return
: endtry
:
: silent! wincmd P " プレビューウィンドウにジャンプ
: if &previewwindow " すでにそこにいるなら
: if has("folding")
: silent! .foldopen " 閉じた折り畳みを開く
: endif
: call search("$", "b") " 前の行の最後へ
: let w = substitute(w, '\\', '\\\\', "")
: call search('\<\V' . w . '\>') " カーソルをマッチしたところへ
: " ここで単語にハイライトをつける
: hi previewWord term=bold ctermbg=green guibg=green
: exe 'match previewWord "\%' . line(".") . 'l\%' . col(".") . 'c\k*"'
: wincmd p " もとのウィンドウへ戻る
: endif
: endif
:endfun
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11. 隠れ(hidden)バッファを使う *buffer-hidden*
隠れ(hidden)バッファはウィンドウに表示されないが、メモリ上にはすでにロードされ
ている。これにより、毎回ファイルを保存したり読み込んだりしなくても、また、ウィ
ンドウ内にファイルを残しておかなくても、他のバッファをウィンドウに表示すること
が可能となる。