Genomonでは,出力ディレクトリ中に既に解析結果が存在すればその解析をスキップします. そのため,過去に解析が完了したものに対して解析を再実行するような場合,その解析の出力ディレクトリを別名で退避あるいは削除した後,Genomon解析コマンドを再実行します.
例えば,DNA解析において pmsignature
を再実行したい場合,必要な手順は下記のようになります.
- 出力ディレクトリの退避
はじめに,再実行対象の pmsignature
の出力ディレクトリを退避,あるいは削除します.
$ cd /home/lect-1/test5929/
$ mv pmsignature/ pmsignature.old
つぎに, pmsignature
の後続の解析の出力結果を残しておきたい場合はその出力ディレクトリを退避します.解析の前後関係(ワークフロー)については,下記のGenomonドキュメントを参照ください.
このDNA解析パイプラインSchemesで示されるワークフローより,青枠で表記されているタスクに着目すると,pmsignatureの後続のタスクは paplot_pmsignature
であることがわかります.これより, paplot
の出力ディレクトリも併せて退避します.
退避しない場合,既存の解析結果は上書きされます.
$ cd /home/lect-1/test5929/
$ mv paplot/ paplot.old
- Genomon解析コマンドの実行
既存のGenomon出力ディレクトリを出力ディレクトリに指定して,Genomon解析コマンドを実行します.
$ bash
/home/lect-1/script/genomon_pipeline.sh \
dna \
/home/lect-1/config/test5929.csv \
/home/lect-1/test5929 \
/home/lect-1/config/rna_genomon.cfg
$
再実行したいサンプルの出力ディレクトリを退避または削除することにより,解析結果のないサンプルのみ解析が実行されます.
例えば,RNA解析において,サンプル test2
の IntronRetention
のみ再実行したい場合,必要な手順は下記のようになります.
- 出力ディレクトリの退避
IntronRetention
検出結果出力ディレクトリの中の test2
サンプルディレクトリを退避または削除します.
既存の解析結果を残しておきたい場合は退避を,そうでない場合は削除します.
$ cd /home/lect-1/test5929/intron_retention/
$ ls
test1/ test2/ test3/ test4/ test5/
$ mv test2/ test2.old/
- Genomon解析コマンドの実行
出力ディレクトリを退避した(出力結果が存在しない) test2
サンプルの IntronRetention
だけが再実行されます.
サンプルを新しく追加する場合,サンプル設定ファイルに追記し,再実行することで追加したサンプルのみ解析が実行されます.
その際,解析結果をマージする pmgignature
や post_analysis
, paplot
も再実行し,既存の結果を上書きします.既存の解析結果を残しておきたい場合は,必要に応じて出力ディレクトリを退避してください.